▶︎ ごあいさつ


 2019年7月6日(土)・7日(日)に包括システムによる日本ロールシャッハ学会第25回東京大会を跡見学園女子大学文京キャンパスにて開催することとなりました。東京での大会は第20回記念大会以来であり、実に5年ぶりとなります。

 

 2019年には初めての公認心理師が誕生していることと思います。これまで心理職が培ってきた専門性を国家資格という枠組みの中で発展させるという新たな挑戦のなかで、ロールシャッハ・テストというユニークなアセスメント技法を活かしていくため、私たちはこれまで以上に「伝える」力を磨いていく必要があるのではないかと感じています。

 

 本大会では、「伝えやすい心理的アセスメント~包括システムの強み~」というテーマのもと、包括システムがもつ「伝えやすさ」、つまりクライエント、多職種、そして関係者とロールシャッハ・テストから得られた有用な知見を共有しやすいという特徴を改めて取り上げ、公認心理師誕生後の心理臨床におけるロールシャッハ・テストの有用性について考えていきたいと思っています。

 

 特別講演では、心理職の国家資格化に尽力され、公認心理師養成機関連盟の会長に就任された東京福祉大学の鶴光代先生をお招きし、「これからの心理職に期待される心理支援」というテーマでご講演いただきます。

 

 またシンポジウムは「包括システムで伝える心理的アセスメント」と題し、医療領域,矯正領域、福祉領域、私設領域における心理臨床に従事されている中堅の先生方から、本人へのフィードバックに加え、多職種や家族や職場の関係者に、アセスメントで得られた情報をどのように伝え、心理支援に活かしているかについて話題提供をしていただきます。司会の広島国際大学の田形修一先生を中心に、フロアも含めた活発なディスカッションを期待しています。

 

 ワークショップは、包括システムによるロールシャッハ・テスト認定資格であるCPCSレベル1-B研修会、初級者対象ワークショップ、中級者対象ワークショップをそれぞれ準備しております。

 

 会場となる跡見学園女子大学は、地下鉄で東京駅から10分程度、池袋からは5分程度と、とても地の利のよいところにあります。この地の利を活かして、多くの方にご参加いただき、これからロールシャッハ・テストを学ぶ方、学び始めて今後の臨床にさらに活かしていきたいと考えている方、日ごろの臨床について振り返りたいと思われている方、それぞれが明日からの臨床のために、そしてこれからの心理臨床のために何かを得られるような大会にしていきたいと思っております。

 

 皆様、どうぞふるってご参集いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

第25回東京大会

大会長 酒井 佳永